「祈りによらなければ」
一之木幸男 牧師
マルコによる福音書9章14~29節
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今日の出来事の前に、非常に素晴らしい出来事がありました。
〈山上の変貌〉です。イエスはただペトロ・ヤコブ・ヨハネだけを連れて高い山に登られる。そこで、イエスの服は真っ白に輝き、モーセとエリヤと語り合っていた。そして雲の中から声が聞こえた。「これは私の愛する子、これに聞け」栄光のキリストの姿を仰いだのです。 山の下ではこれと対照的に、悲惨な光景がありました。幼い時から大きな苦しみを味わってきた息子と、どうにかしてあげたいと思いつつも何もしてやることが出来なかった父がそこにおりました。◇み言葉をもって悪霊を追い出されたイエス。ここにこんにちの教会と信仰者が立ち返るべき在り方が示されます。《主イエス・キリストのみ言葉そのもののいのちと力》への全き信頼です。
◇弟子たちは「ひそかに」イエスに尋ねます。「なぜ、私たちはあの霊を追い出せなかったのでしょうか」あの父親のように自分の不信仰を認めることも、「お助けください」と求めることもしませんでした。結局、弱さに徹し切れていないのです。自分の無力を認められないのです。◇イエスは言われます。「この種のものは、祈りによらなければ決して追い出すことはできないのだ」 福音書は、イエス・キリストの生涯は祈りによって貫かれていたことを伝えています。
ある個人訳では、29節は「よくよく神さまのお声に耳を澄まさねば」と記されています。その語りかけに信頼をもってお応えする対話こそ祈りです。祈れない時もある。しかし聖霊の執り成しにより頼み、「祈れない私を祈れるようにしてください」と祈ることで養われていくのです。