説 教

  2022年10月23日

降誕前第9主日

  • 「神の創造による大地」

    一之木幸男 牧師
    ヨブ記38章1~18節
    ※音声ファイルはありません
    「ウツの地にヨブという人がいた。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けていきていた。」短いが、人物像がはっきりと伝わってくる描写です。天上へと場面は移っていきます。主とサタンとのやりとりです。主はサタンに尋ねます。「お前は私の僕ヨブに気づいたか。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている」サタンの答えはこうです。「ヨブが、利益もないのに神を敬うでしょうか」利益もなく=理由もないのに神を礼拝する者があるか?これはヨブ記を貫く主題です。このやりとりの結果、彼は財産・家族を喪います。さらには彼自身、頭のてっぺんから足の裏まで酷い皮膚病になり苦しみを負います。しかしここまでは「唇をもって罪を犯さなかった」◆三人の友人との長い議論の中でヨブが最後まで言い続けたのは、「私が正しい」ということ、「神ご自身に答えていただきたい」ということでした。しかし神は沈黙したままです。◆38章になってやっと神の顕現が告げられます。「主は…答えて」とありますが実際には問いです。「これは何者か」「私が大地を据えたとき、お前はどこにいたのか」一つの真実がここに表されているように思います。人は自分を超えた大いなる存在からの問いかけにおいてこそ、自分を・他者をそして世界を知ることができるということです。「お前は何者か」この問いの前で、じっくり時間をかけてよい。たたずみ続けていてもよい。そのことがすでに神が与えてくださっている恵みではないでしょうか。◆ヨブと共にこの問いの前に立つとき、〈私は存在していなかったかもしれない者だ〉との思いに導かれます。さらには〈天と地も存在しなかった〉可能性もあります。しかし、今、現に大地と海は存在し、そこに私は存在させていただいている。人間は、私は、自らの内に存在の根拠をもっていない。無償でいのちを与えられて生かされています。