説 教

  2023年2月19日

公現後第6主日

  • 「すべての人が食べて満腹した」

    一之木幸男 牧師
    ルカによる福音書 9章10~17節
    ※音声ファイルはありません
     9章のはじめに、主イエスが十二人を宣教の旅に遣わされた出来事が記されています。その際に命じられたことは「旅には何も持って行ってはならない」ということでした。「杖も袋もパンも金も持ってはならない。下着も二枚は持ってはならない。」後に主はこの時のことを弟子たちにお尋ねになっています。「何か足りないものがあったか?」彼らははっきりと「いいえ、何もありませんでした。」すべてが神によって備えられていたのです。★旅から帰ってきた弟子たちに主は休息と祈りに専念させようとしますが、群衆はここにも追いかけてきます。イエスはこの人々を歓迎し、神の国を宣べ伝え、癒しの業をなされました。夕暮れ時になると、十二人は言います。「群衆を解散させてください。そうすれば、周りの村や里へ行って…食べ物を見つけるでしょう」これは現代の表現で言えば〈自己責任論〉でしょう。これに対し、主は正反対のことを言われます。「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」弟子たちは言います「私たちにはパン五つと魚二匹しかありません。」何も持たずに出て行って、すべて備えられていたことなど、すっかり忘れているかのようです。対照的に主イエスは「天を仰いで、それらのために賛美の祈りを唱え」ます。男だけで五千人、女性や子供を含めればゆうに二倍三倍の人々が食べて満腹したのです。★イエス・キリストは宣言しておられました。「貧しい人々は、幸いである。神の国はあなたがたのものである。今飢えている人々は、幸いである。あなたがたは、満たされる」この宣言は今ここで実現しています。今日の出来事は《神の国のしるし》なのです。「すべての人が食べて満腹した」現代はこれと正反対です。独占し、分かち合わないからです。真実の悔い改めが求められています。